2022.5.21 | 介護コラム | 16疾病(脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症)
前回のコラムで16の特定疾病の「認知症」「進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病」をご紹介させていただきました。
今回のコラムでは、「脊髄小脳変性症」「脊柱管狭窄症」「早老症」を詳しくご紹介させていただきます。
●脊髄小脳変性症
脊髄小脳変性症とは、運動を司る小脳に異変をきたす病気です。
進行すると体を思うように動かせなくなります。
遺伝性の場合もありますが、発症原因ははっきりと特定されていません。
運動失調に加えて、末梢神経症状、自律神経症状、高次機能障害などが現れる場合もあり、特定疾病の認定は、専門医が症状を詳しく診断したうえで、総合的に判断を行います。
●脊柱管狭窄症
脊柱管とは脊椎の中にある空間のことで、ここが狭くなってしまうと、中を通る神経が圧迫され、さまざまな症状が現れるようになります。
特定疾病として認められるのは、以下のような場合に限られます。
・頚椎部、胸椎部、腰椎部のうち、ひとつ以上の部位において脊柱管の狭小化がみられる場合
・画像所見において、脊柱管の狭小化によって神経の圧迫が確認できる場合
・画像上の脊柱管狭小化と現れている症状の間に因果関係がある場合
●早老症
早老症とは、老化の兆候が実年齢よりも早く、全身に生じる疾患の総称のことです。
実際には、ウェルナー症候群、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群、コケイン症候群など約10の疾患によって判定されます。
特に、ウェルナー症候群は日本人に多い早老症で、全世界の発症者のうち6割が日本人となっています。
具滝的な症状としては、白髪、禿頭、脱毛、音声の異常、四股・皮膚の萎縮、アキレス腱などの軟部組織の石灰化などがあります。
老化が過度に進むと、難治性皮膚潰瘍、糖尿病、早発性動脈硬化なども起こり、こうした症状の合併症により死亡するケースもあります。
遺伝性の疾患ということもあり、完全に治療する方法はまだ見つかっていません。
次回のコラムでは、「多系統萎縮症」「糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症」についてご紹介させていただきます。