2021.11.13 | 介護・介助の基礎知識 | 口腔ケアと認知症の関係について
今回のコラムでは、老人ホームで行われる口腔ケアと認知症との関係についてご紹介させていただきます。
2010年に、神奈川歯科大学が発表した研究報告によると、歯がなく入れ歯も使っていない人は歯が20本以上ある人に比べて、認知症を発症するリスクが1.9倍も高くなっているとのことです。
噛む能力の高い高齢者の方と、噛む能力が低い高齢者の方とを比べると、認知症の発症リスクには約1.5倍の違いがあることが明らかになっています。
咀嚼(そしゃく)は、あごを開けたり閉じたりする行為が脳に酸素と栄養を送ることから、脳の認知機能の低下を予防する効果があると言われています。
また、記憶を司る「海馬」という組織の神経細胞が増加するとも言われています。
また、他の研究では、歯周病の原因菌とアルツハイマーの原因物質との因果関係も指摘もされているとのことです。
こうした研究からもわかる通り、健康な歯を維持していくことが、認知症の予防にもなることが分かります。
老人ホームでの口腔ケアだけでなく、日頃からの家庭での口腔ケアもとても大切になります。
次回のコラムでは、家庭での口腔ケアにしついてご紹介させていただきます。