2022.3.12 | 介護コラム | 介護保険とその歴史について
今回のコラムでは、介護保険とその歴史についてご紹介させていただきます。
まず介護保険とは、 介護や支援が必要な方(要介護者・要支援者)に、介護や介護予防でかかる費用の一部を給付する制度です。
給付を受けるには、介護がどの程度必要か判定してもらい、各市町村や専門機関に一定の手続きをする必要があります。
介護保険は、全国の市区町村が保険者となり、
その地域に住んでいる40歳以上の方が被保険者(加入者)として納めている介護保険料と税金で支払われています。
また、サービスを受ける場合、1割の自己負担が必要ですが、年収によっては自己負担率が2割または3割になる場合があります。
●介護保険の歴史
1980年代に、入院の必要がないけれど病院で生活せざるをえない「社会的入院」や、「寝たきり老人」などが社会問題化していました。
しかし、当時の老人福祉法では、十分な介護サービスを提供できる状態ではありませんでした。
当時の法制度のもとでは、利用者が自由にサービスを選べず、同じようなサービスばかりが提供されていました。
また、老人医療の分野では、介護を理由とした長期入院が全国的に増え、医療費が増加していました。
本来、医療サービスを提供する病院は、高齢者が療養生活を送る場としては不十分でした。
さらに、90年代に入り高齢化が急速に進むにつれ、要介護状態の高齢者の増加や介護期間の長期化などが問題となり、
家族だけに介護負担を負わせるのではなく、「介護の社会化」を求める声が強まりました。
こうした問題を解決すべく登場したのが、2000年に施行された「介護保険制度」です。
介護保険制度では、これまで選択できなかった介護サービスを、自由に選ぶことができるようになりました。
また、それまでの老人福祉法とは異なり、在宅サービスの充実にも重点が置かれています。
時代の変化に伴い、介護の現場や制度も日々変化しています。
今後のコラムで、そのような変化についても取り上げていきますので、
ぜひ参考にしていただければと思います。
次回のコラムでは、介護保険の区分や支払いについてご説明させていただきます。