2021.8.14 | 介護・介助の基礎知識 | BPSD(行動・心理症状)
前回までのコラムでは、認知症にみられる中核症状について説明してきました。
今回のコラムでは、中核症状に付随して現れるBPSDという症状について説明します。
BPSD(行動・心理症状)とは、中核症状に本人のそれまでのライフスタイルや人間関係などの要素が絡まって現れる症状のことです。
人のライフスタイルや人間関係などが複雑に絡み合うため、症状の現れ方は本当にさまざまで、介護者としても、ケアの方法はそれぞれ、ということになります。
具体例として以下のようなものがあります。
① 不安・焦り:失敗や周囲への迷惑を気にして出現する。
② うつ:ふさぎ込むなど、うつ病のような症状が出る。
③ 興奮:不安や戸惑い、記憶力の低下によってストレスが溜まって暴言を発したり、暴力を振るったりする。
④ 睡眠障害:環境の変化への対応が難しくなり、昼夜逆転などによって睡眠障害が起こる。
⑤ 幻視・幻聴:現実にない人や物が見えたり、また会話が聞こえたりする。
これらの症状は、ご本人だけでなく家族や身近にいる方にとってケアの方法に悩む症状です。
次回のコラムでは、その中でもケアに戸惑いが起こる「興奮」について解説していきます。