2021.10.16 | 介護・介助の基礎知識 | BPSDへの対処法 ②薬物的アプローチ
前回のコラムで、認知症のBPSDを改善する治療方法の一つである非薬物的アプローチについてご紹介しました。
今回のコラムでは、薬物的アプローチについてご紹介させていただきます。
非薬物的アプローチで改善が見られないとき、薬物的アプローチが導入されます。
認知症の治療で主に用いられている薬をご紹介させていただきます。
●睡眠導入薬
昼夜逆転、不眠などの症状がある際に用いられます。
お薬の種類と使用する方によっては、だるい等の症状が現れることもあります。
●抗精神病薬
幻覚、妄想、不安などのBPSDに効果が期待されますが、薬によっては眠気や転倒などの副作用があります。
パーキンソン病や糖尿病などを合併している方は、特に副作用に注意が必要なお薬です。
●抗うつ薬
神経伝達物質セロトニンなどに作用して、憂鬱な気分を緩和させるお薬です。
意欲の低下や抑うつ症状、食欲低下、睡眠障害などの症状に対して用いられます。
●抗不安薬
不安や焦燥などの症状に対して用いられますが、認知機能の低下や運動失調(神経系の障害)などのリスクがあるため、使用には注意が必要なお薬です。
薬物的アプローチ、非薬物的アプローチそれぞれに特徴と利点・欠点があります。それらを総合的に理解したうえ、効果的かつ使用する本人やご家族の意向に沿うアプローチを探していくことがとても重要です。
次回のコラムからは、実際に老人ホームでのケアにはどのようなものがあるかご紹介していきます。