2021.9.11 | 介護・介助の基礎知識 | 認知症による徘徊について
前回のコラムまでBPSDについて説明しました。今回のコラムでは、認知症によるBPSDの1つである「徘徊」について説明していきます。
徘徊に関して、「家族や介護者が目を離した隙に認知症の方が外出してしまい、交通事故に巻き込まれた」というニュースを思い出す方も多いのではないでしょうか。
認知症による徘徊は、このように事故などの危険性もあるため、いかに予防策を講じていくかがとても大切です。
認知症の方が徘徊する原因は多々あり、主に次のようなものが考えられています。
- 記憶障害や見当識障害によるもの
記憶障害によって、現在住んでいる家ではなく、生まれ育った家を自宅だと思い込んで外出してしまうケースがあります。
また、かつて仕事に毎日出かけていた人が、定年退職したのに、以前のように仕事に行こうとすることも考えられます。
現実が理解できなくなり起こる徘徊は、現実を言い聞かせて否定するのではなく、介護者が共感する姿勢で、付き添うなどの対処法が求められます。
- ストレスや不安によるもの
徘徊の原因としてもう1つ挙げられるのが、認知症高齢者本人のストレスや不安です。
介護を理由に家族との同居を始めたり、施設へ入所したりした場合、環境変化がストレスとなり自宅に帰ろうと徘徊するケースもあります。
また、今いる場所に居心地の悪さを感じ、出かけてしまうこともあり得ます。
このようなときの対処法としては、本人が不安に思っていることが何かを介護者が考え、不安要素を取り除くことが重要です。
次回のコラムでは、具体的な徘徊対策についてご紹介させていただきます。