2021.7.31 | 介護・介助の基礎知識 | 見当識障害
今回のコラムでは、中核症状のひとつである見当識障害について説明していきます。
見当識障害とは、「時間」や「場所」、「人物」など、現在自分が置かれている状況を把握する能力に対して起こる障害のことです。
認知症の見当識障害では、最初に「時間」がわからなくなることが多くあります。しかし、この段階では周囲からみて、それが加齢によるものなにか、認知症によるものなのかの判断はとても難しい段階です。
しかし症状が進行すると、普段から歩き慣れている道で迷うなど、「場所」の認識への障害や家族のことを誰なのかわかなくなるといった、「人物」の認識にも障害が出てきます。
ただし、認知症ではなかったとしても、加齢によってある程度は見当識の衰えが起こるとされているため、初期状態で見つけることが容易ではありません。
その場合、見当識障害以外の中核症状によって認知症を判断することも大切になるといえます。
次回のコラムでは、実行機能障害と理解・判断能力障害について説明していきます。