2022.12.24 | 介護コラム | 事業者ごとの福祉用具のレンタル料金について
前回のコラムでは、介護用品を利用する際のサービス事業者との契約や定期メンテナンスについてご紹介させていただきました。
今回のコラムでは、事業者ごとの福祉用具のレンタル料金について解説させていただきます。
福祉用具貸与サービスでは、レンタル費用と利用者が負担する自己負担額は種目ごとに全国一律で規定されているわけではなく、貸与事業者が自由に設定できます。
そのため、まったく同じ種目・製品であっても、事業者によってレンタル費用が変わってきます。
事業者ごとに、サービス内容やコストが異なるためではあるのですが、中には悪質な業者がいて高額な費用を請求してくるケースもあり、問題視されていました。
そんな中、2018年の制度改正で、国・厚労省が全国の平均レンタル金額を公表し、サービスにかかるコストなどを考慮したうえでレンタル価格の上限額を定めることに変更されました。
この改正により、福祉用具のレンタルを行う事業者は、利用者に対して全国平均貸与価格と貸与事業者の貸与価格の両方を利用者に説明することが義務づけられました。
また、機能や価格帯が異なる複数の商品を提示して、利用者に製品の選択機会を増やすことも改正に含まれています。
利用者は、事業者から提示された金額が妥当なのかの判断材料を得ることができ、より多くの選択肢の中から使いたいものを選ぶことができます。
また、利用者に公布される福祉用具貸与計画書を担当のケアマネージャーにも交付することが義務付けられたため、福祉用具事業者の知識や知見がケアマネージャーに引き継がれ、より適正なケアプラン作成に役立てられるようになりました。
福祉用具貸与サービスを利用される際は、そういった背景知識を踏まえてうえで、利用者の方にあったサービスを選んでいただければと思います。
次回のコラムでは、福祉用具のレンタルを検討する際に出てくる「在宅介護と施設介護のどちらにすべきか」という点について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介させていただきます。