2021.8.7 | 介護・介助の基礎知識 | 実行機能障害、理解・判断能力障害、計算能力障害
今回のコラムでは、中核症状の実行機能障害と理解・判断能力障害、計算能力障害について説明していきます。
実行機能障害とは、計画性をもって実行に移すことが難しくなることを指します。
私たちは日常生活を送るうえで、物事の手順を踏んで実行に移しています。
例えば、洗濯をするときには洗濯機で洗剤と、干し、取り込む、たたむといったように、計画的に順序よく行っています。しかし、実行機能障害はそれらが難しくなります。
また、予定外の事態が発生しても、それに合わせて適宜、計画を変更することができるのですが、実行機能障害になると臨機応変に対応することが難しくなります。
認知症になると、実行機能障害と同様に、理解・判断能力障害も起こります。
理解・判断能力障害とは、わかりやすく言うと「考えるスピードが遅くなる」「同時に2つ以上の物事を考えられなくなる」「些細な変化に対応できなくなる」ということです。
しかし、これらの症状は一般的な老化によってもみられる症状でもあるため、これらの症状だけでの認知症の判断はできません。
計算能力障害はその名の通り、計算能力に障害がでる症状です。
認知症かどうかを診断するテストの中に、「100から順に7を引いていってください」というものがあります。
健康な人なら、93、86、79・・・と答えられますが、認知症になるとそれができなくなります。
中核症状に関するコラムは以上となります。
次回のコラムでは、中核症状の後にみられるBPSD(行動・心理症状)について解説していきます。