2021.7.24 | 介護・介助の基礎知識 | 記憶障害
前回のコラムでは、認知症の症状には「中核症状」と「行動・心理症状」の2つに分けられることを説明しました。
今回のコラムでは、中核症状のひとつである記憶障害について詳しく説明していきます。
記憶障害は、とくにアルツハイマー型認知症に起こることの多い症状です。
記憶は、以下の3つに分類されます。
・即時記憶:新しいことを覚える記憶
・近時記憶:昨日の食事など短期的な記憶
・遠隔記憶:過去の特徴的な出来事などを思い出す記憶
このうち、認知症の初期に起こることが多いのが「即時記憶障害」で、昔の出来事などは覚えていますが、新しく体験した物事を覚えることができなくなります。例えば、今しがた会った人の顔を忘れてしまうなども当てはまります。
症状が進行すると、近時記憶や遠隔記憶にも障害が及んでしまい、以前の記憶も失われてしまうと言われています。
こうした認知症による記憶障害は、加齢に伴うもの忘れとは異なり、体験したこと自体を忘れ、もの忘れをしている自覚もなくなるのが特徴です。
次回のコラムでは、見当識障害について詳しく解説していきます。